DeNA・石田が956日ぶり先発勝利「やっぱり素直にうれしい」
「中日6-7DeNA」(30日、バンテリンドーム)
DeNA・石田健大投手が7回を97球、4安打無四球2失点で今季初勝利を挙げた。先発投手としての勝利は2019年8月17日の広島戦以来、956日ぶりとなった。
試合後の取材で石田は「いやー、やっぱり素直にうれしいですし、久々にこの雰囲気っていうか、勝った時の雰囲気を味わえたと思います」と充実感が漂った。
序盤からテンポよく中日打線を打ち取った。四回にドラフト2位の鵜飼(駒大)に2ランは浴びたものの崩れることはなかった。140キロ前半~中盤の直球やスライダー、チェンジアップ、そして去年から取り組んでいたカットボールを捕手の戸柱とともにしっかりと組み立てた。
昨年はリリーフとして勝利の方程式の一角として期待されたが、開幕から4試合連続失点。後半戦は1試合の登板と悔しいシーズンだった。当時を振り返り「ファームで生活しているとき、昼過ぎ、夕方に帰る…。情けない時間に帰って、自分と向き合うのも本当につらかった」。だが三浦監督を始め、周りのコーチ、選手、スタッフが石田を支えた。
この日は入江や砂田といった若手が打たれた。だが石田は「しっかりと自分が言えることは言いたいなと思いますし、逆の立場で打たれたこと僕もあるので」と自身が苦い経験をしたからこそ、話し相手に響くこともあるだろう。
どん底からはい上がり、つかんだ1勝。「変わらないといけないけど、変わる中でもやってることが間違いじゃないと思うことが一番大事」。己を信じ、自分と向き合ってきた石田は、敵地のマウンドで堂々と投げ込んでいた。


