大阪桐蔭・川原 リベンジ快投!成長示した9K1失点 V候補“大トリ登場”まず1勝

 「選抜高校野球・1回戦、大阪桐蔭3-1鳴門」(24日、甲子園球場)

 1回戦1試合と2回戦2試合が行われた。昨秋の明治神宮大会の覇者で、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられている大阪桐蔭が1回戦の最後に登場。背番号10を背負う川原嗣貴投手(3年)が6安打1失点で完投し、鳴門を3-1で下した。

 帽子が落ちるほどのこん身の力で141キロの直球を投げ込んだ。最後の打者を空振り三振に仕留めると、川原は勢いそのままに豪快なガッツポーズ。昨夏の甲子園で味わった悔しさをぶつける快投を披露した。

 力強い直球に加えてカット、スライダー、カーブなど多彩な変化球も駆使した。2点リードの七回2死から3連打を浴び、1点差に詰め寄られたものの、動じなかった。「目の前の打者で確実に切ろう」と仲間を信じ、最少失点でしのいだ。

 先発はこの日の朝に告げられた。エースナンバーを付ける別所孝亮投手(3年)、昨秋の近畿大会と明治神宮大会で主戦を務めた左腕・前田悠伍投手(2年)がスタンバイする中での抜てき。背番号10を背負う188センチの長身右腕は「自分が最後まで投げる。自分がチームを勝たせるんだと思った」と、託されたマウンドで持てる力を存分に発揮した。

 苦い思い出がある。2年生だった昨夏の甲子園2回戦・近江戦で同点の八回から登板し、2死から2点を奪われて逆転負けを喫した。試合終了の瞬間、先輩らの夏を終わらせて頭の中は真っ白に。整列にも1人で向かうことができなかった。

 痛感した精神的な甘さ。もう同じ思いはしたくない。「(身の回りの)ゴミ1つ見逃さない。野球以外の細かい生活の部分を見直してきた」。甘さが出ないように行動、言動に細心の注意を払い、自らを律してきた。

 成長を示す9奪三振1失点の完投勝利。「次の試合に向けて弾みがつけられる投球ができた」と、チームを4年ぶりのセンバツ勝利に導いた。史上2校目の全国4冠(明治神宮大会、春夏の甲子園、国体)制覇を目指す常勝軍団。順調に偉業へと歩みを進める。

 ◆川原 嗣貴(かわはら・しき)2004年6月30日生まれ、17歳。大阪府出身。188センチ85キロ。右投げ左打ち、投手。幼稚園年小時にポルテ野球クラブに入り、小学3年から千里丘イーグルス、千里丘中時代は北摂津リトルシニアに所属。大阪桐蔭では2年春の大阪大会からベンチ入り。最速145キロ。

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