星稜 エース・マーガード負傷降板も“全員野球”星 延長十一回の激闘制す

 「選抜高校野球・1回戦、星稜5-4天理」(22日、甲子園球場)

 1回戦3試合が行われ、星稜(石川)が延長十一回の激闘の末に天理(奈良)を下した。エース右腕、マーガード真偉輝キアン投手(3年)は7回0/3を投げて3安打2失点(自責点0)、8奪三振と好投。八回に右のツメを痛めて降板するアクシデントも全員野球で乗り越えた。

 勝利の瞬間、勢いよくベンチを飛び出した。降板してからも伝令役を務めるなど、仲間を鼓舞し続けたエースのマーガード。「まずは1勝できて、林先生とまだ野球ができる」。今春限りで勇退する監督と次の試合も戦えることを思い浮かべ、笑みがこぼれた。

 立ち上がりから安定感のある投球を披露した。力のある直球に加え、打者の手元で動く変化球を交ぜた投球術で五回まで毎回の7奪三振をマークした。

 ただ八回、完封ペースが突如、崩れる。四球と味方の失策で無死二、三塁のピンチを背負うと、続く右打者に右中間へ同点の2点二塁打を浴びて降板。終盤にかけて指先を気にするしぐさを見せており、林監督は「爪が思わしくない状態になった」と説明した。

 アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、186センチ、90キロと恵まれた体格の右腕。頼れるエースとしてだけでなく、街中でも人気者だ。寮から自転車で学校へ向かう際は、よく地元の人から「マーガード君」と声を掛けられるという。その際には、自転車を降りてあいさつ。そんな謙虚な姿が周囲から厚い信頼を寄せられる要因だ。

 だからこそ仲間たちも奮起し、延長十一回の激闘を制した。「最終的に優勝できたらいい」とマーガード。1日でも長く恩師と戦うため、聖地のマウンドで躍動する。

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