東洋大姫路・藤田監督「感無量」のラスト聖地 後任は履正社前監督の岡田龍生氏

 「選抜高校野球・1回戦、高知4-2東洋大姫路」(21日、甲子園球場)

 1試合でも多く、1秒でも長くグラウンドに立ち続けたかった。最後の甲子園。聖地に試合終了のサイレンが鳴り響く中、東洋大姫路(兵庫)の藤田明彦監督(65)はバックスクリーンを見つめ、一礼して引き揚げた。

 「感無量というんですか。最後に母校のユニホーム姿で終えられたことが、私にとっては最高の野球人生だと思っています」

 今大会限りで退任する指揮官と戦い続けるために、選手は最後まで諦めなかった。4点を追う八回。1死二、三塁として、山根昂介外野手(3年)が右翼線を破る2点二塁打を放った。エースの森健人投手(3年)は4失点の完投。ただ、あと一歩及ばなかった。

 同校を通算19年にわたり指導した藤田監督。最後の戦いを見届けようと三塁ベンチ上には妻・郁子さんら家族10人が応援に駆けつけ、最後の勇姿を目に焼き付けた。

 4月1日付で同校OBで履正社の監督を務めた岡田龍生氏(60)に後任を託すが、まだまだ野球から離れることはない。「夏(の甲子園に)出てもらって、今度はアルプスで応援したい」と藤田監督。最後まで諦めない“東洋大姫路魂”は継承され続ける。

 ◆藤田明彦(ふじた・あきひこ)1957年2月13日、兵庫県西脇市出身。東洋大姫路では2度、甲子園出場。東洋大を経て社会人の東芝府中で外野手としてプレー。東芝府中のコーチ、監督を経て97年8月に母校の監督に就任。2006年3月に一度退任し、11年に監督に復帰。甲子園には春夏通算6度出場して03年春4強、11年夏8強。原樹理(ヤクルト)、甲斐野央(ソフトバンク)らを育てた。家族は妻と2女。

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