オリックス・山本が沢村賞受賞 プロ5年目で初完走「レベルアップしたなと思う」

 プロ野球創設期の名投手、沢村栄治を記念した「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が22日、都内のホテルで開かれ、オリックス・山本由伸投手(23)が全会一致で選出され初受賞を果たした。オリックスでは2014年の金子以来2人目の受賞となった右腕は、ノーヒットノーランの早期達成を誓った。

 都内のホテルで行われた会見。山本は晴れやかな表情で現れた。

 「歴史のある賞、本当にうれしく思います。素晴らしい賞を自信に変えて、レベルアップできたらと思います」

 今季は球団新記録となる15連勝を飾るなど、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率と先発投手のタイトルを総なめにした。6完投、4完封を含め、12球団で比較になる投手がいない圧倒的な数字を残した。

 最大の要因はプロ5年目で初めて1シーズンを完走できたこと。

 「一番まず達成したかったポイント。今も体は問題なく調整できている。レベルアップしたなと思います」

 振り返れば3年前、セットアッパーから先発転向を志願し、勝ち取ったところから始まる。

 「たまたま西さん、金子さんの移籍があって先発できるようになった。運がついてるなと思いますね」

 沢村栄治の知識はそれほどない。だが、ノーヒットノーラン3度の記録保持者と聞いて、がぜん興味が湧いた。「今年もできなかったのでいつかやりたい。少しでも近づけたらうれしいですね」。今季は2安打完封が2度。快記録をいつ達成してもおかしくない圧倒的な力がある。

 山本のシーズンはまだ終わりではない。日本シリーズで第6戦があれば、再び先発の機会が訪れる。「早く日本一を決めたい気持ちもありますが、前回、あまりパッとしなかった。悔しかったので投げたい気持ちもあります」。沢村賞の称号を得た右腕が出番を待つ。

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