オリックス・ラオウ王手弾 効いた!藤田通訳の“助言”代わった東妻の初球仕留める

 「パCSファイナルS・第2戦、オリックス2-0ロッテ」(11日、京セラドーム大阪)

 リーグ1位のオリックスが2位のロッテに連勝。アドバンテージを含めて3勝とし、1996年以来、25年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。両軍無得点で迎えた六回に、4番・杉本裕太郎外野手(30)が左翼へ先制2ラン。投手陣は継投でパ・リーグでは史上初のCS2試合連続完封勝利を挙げた。

 ラオウと吉田正、2人が一緒に突き上げた拳に、京セラドームの観衆が大歓声で応えた。パ本塁打王が意地の一発で日本シリーズへ王手をかけた。

 チャンスは六回に来た。2死から吉田正が強烈なライナーで苦戦を強いられた美馬を“KO”。杉本は代わった東妻の初球スライダーを左翼スタンドにライナーで運ぶ先制2ラン。今季、打率・430、13本塁打、23打点と得意にしたロッテキラーが本領発揮だ。

 豪弾の裏にはまさかの助言があった。自ら明かす。

 「結構おもろい話あるんですけど。通訳の藤田さんが歩いてきて、ラベロに行くのかと思ったら日本語で“(東妻の)クイックが早いから気をつけろ”って。あっオレかって(笑)。そのアドバイスでうまくタイミングが取れました。感謝しています」

 報道陣を笑いの渦へと誘った。ラオウの周囲はいつも笑いが絶えない。実は一昨年から心掛けていることだ。

 「友達から死にそうな顔してるって言われたんです。いつ2軍に落とされるかビクビクしてたから。どうせ一度の野球人生なんで楽しんでやろうって思うようになった」

 初戦は3タコ。初のCSの大舞台に力んだ。「試合に勝ったけど心から喜べなかった」。この日は試合前練習も打撃練習はグラウンドではなく、志願して室内で打ち込んだ。大振りの傾向が出た時のルーティンだ。

 「コンパクトに軽く振るイメージできょうはいきました」

 4番のお目覚めに中嶋監督も表情を崩す。

 「大きな本塁打。なんとかやっていけるという感じをつかめたかなと思います」

 第3戦に勝つか引き分けで3度目の挑戦で球団初となるCS突破が決まる。奇跡の復活を遂げた吉田正。目覚めた4番。条件はそろった。

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