ヤクルト・村上 4番の自覚 バットでVけん引!打線に勢いもたらす猛打賞

 セ・リーグ優勝を決め、嶋を抱きしめる村上(撮影・伊藤笙子)
 3回、中村の2点適時二塁打で生還し、塩見(右)とほえて喜ぶ
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 「DeNA1-5ヤクルト」(26日、横浜スタジアム)

 一人、一人と強く、熱く抱擁する。苦しい時もあった。それでも、ヤクルト・村上宗隆内野手は最後まで決してうつむかなかった。信頼できる仲間とたどり着いた頂点。「絶対大丈夫と、言い聞かせて何度も打席に立った。言葉に勇気づけてもらいました」。横浜で揺れる色とりどりの傘を、瞳に焼き付けた。

 この日もバットでけん引した。1点を追う二回無死は左前打。同点のホームを踏むと、三回1死一、二塁は右前打でつなぎ、勝ち越しの起点となった。さらに七回2死は左前打で猛打賞だ。

 「優勝チームの4番になりたい」-。

 強く、欲し続けた目標だった。1軍に定着してから2年連続で最下位を経験。勝利に人一倍喜び、敗戦には責任を背負った。1年目から野球への愛、情熱は変わらない。追い求める場所へ、懸命に前を向き続けた。

 今年6月、福岡での交流戦。原点でもある場所で、大きな成長を見せた。「本当に広い球場だなって。まさか自分がここに立って、ホームランが打てるとは思っていませんでした」。初めてプロ野球を見た思い出の地でアーチを描くと、チームは上昇気流に乗った。

 憧れを抱いた夢は、幼い頃から変わらず野球選手。そんな中、16歳で熊本地震を経験した。「思い出すのも嫌な出来事でした」と回顧するほど、生まれ育った場所の景色は一変した。それでも昨季から続ける熊本城復旧支援へ、「金額以上の喜びを与えたい」とバットを振り続けた。

 最後のアウトをつかみ取り、拳を握った村上。「このチームで優勝したい思いがあった」。勝利だけを追い求めてきた日々が、大きな喜びと重なった。

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