ヤクルトの高梨裕稔投手（３０）が２５日、優勝マジック「２」で迎える大一番を前に神宮外苑で入念な調整を行い、登板に備えた。６年ぶりの優勝へ負けられない戦いが続く中、２６日・ＤｅＮＡ戦（横浜）の先発に大抜てき。“勝率９割”の勝ち運男が、勝利のバトンをつなぐ。

　時折笑顔を見せながら、この日は練習で汗を流した。ブルペンに入り、短いダッシュを繰り返すなど最終調整。「優勝がかかった大事な試合で先発させていただくので、なりふり構わず、全力で腕を振っていきたいです」と武者震いした。

　右腕とチームを後押しする吉兆データがある。今季の高梨は１１試合すべて先発で４勝１敗、防御率３・７２だが、登板１１試合のチームの勝敗は９勝１敗１分けと大きく勝ち越し。まさにチームにとっては勝利を呼び込む“勝ち運男”だ。

　２４日の巨人戦（神宮）では中継ぎ待機するなど、献身的な姿勢でチームを支えてきた右腕。１６年には古巣・日本ハムでもリーグ優勝を経験しており、大一番での経験も豊富だ。

　またその後の残り２戦は高橋、奥川と若い二人が控えるだけに、まずは勝利をつかみ、勢いをつけたい。「何とかこの苦しい時に、チームに貢献したい」とは高梨。勝利のバトンを後輩たちへとつなぐ。