オリックス由伸 引退・西浦のために-12連勝「とにかく勝ちたい」
「オリックス3-2楽天」(25日、京セラドーム大阪)
これが負けない男の真骨頂だ。オリックス・山本が球団では2010年の金子千尋以来となる12連勝でハーラー独走の15勝目を挙げた。
最後はビッグプレーに助けられた。1点リードの八回2死一塁から茂木に右翼線二塁打を許すが、杉本-安達-若月の完ぺきな中継プレーにより本塁で刺した。試合後山本は「本当に最高のボールがきてました」とバックの守りに感謝した。
序盤四回までは毎回走者を背負った。「ちょっと慎重すぎたかな」と振り返る。優勝争いの中、前日は宮城で落とした。勝たなければならないという強い思いが投球を苦しくしたが、それでもリードを守り切った。
連勝記録も自身の勝利も二の次という。
「チームの成績が気になる。(記録)そういうのは後でいいです。とにかく勝てばそれも続く。とにかく勝ちたいです」
思いを強くする出来事があった。24日に難病により引退を発表した西浦のことだ。
「僕より後輩ですし、すごく才能ある選手。早い段階で実力ではなく引退しなければならないのはつらいと思う。かける言葉も見つからない。とにかく最後のシーズンを勝って、少しでもいい思いをこの野球人生でしてほしいと思います」
悲願の優勝へ、エースは一つも負ける気はない。