智弁学園・西村が涙 初回4失点「気負ってしまった」悲願日本一あと一歩届かず

 1回、智弁和歌山・高嶋に2点適時打を浴びた智弁学園・西村
 準優勝に号泣する智弁学園ナイン
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 「全国高校野球選手権・決勝、智弁和歌山9-2智弁学園」(29日、甲子園球場)

 悲願の初優勝とはならなかった。智弁学園(奈良)は智弁和歌山との“兄弟対決”に2-9で敗れた。先発したエース左腕・西村王雅投手(3年)が初回に乱れ、失った4点が最後まで響いた。小畠一心投手、前川右京外野手(いずれも3年)らとともに1年生の時から目指していた「日本一」。あと一歩届かず、最後の夏を終えた。

 試合終了と同時に泣き崩れた。「決勝のマウンドで相手が智弁和歌山だったということもあって…抑えないと、勝たないとと気負ってしまった」。1年から智弁学園の背番号1を背負ってきた西村の夏は、涙で終わった。

 立ち上がりが勝敗を分けた。初回、いきなり連打などで先制を許すと、2死二塁からも3連打を浴びてまさかの4失点スタート。「様子見で入ってしまった」と智弁和歌山の強力打線を警戒するあまり、いつもの強気な姿勢を忘れていた。

 それでも、エースとしての意地を見せて二回以降は無失点。だが五回で102球と球数がかさみ、六回から「お前しかおらん。粘ってくれ」と“相棒”小畠にマウンドを託したが、勢いを止めることができなかった。

 勝ちたい理由があった。2月に慕っていた曽祖母が他界。この日が誕生日だったため優勝した姿を見せようと腕を振ったが、かなわず。それでも「思うような結果ではなかったけど天国に元気を届けられたかな」と少しだけ表情を和らげた。

 高校では4度、聖地を経験した。最後の夏も入学時に掲げた日本一には届かなかったが「甲子園で仲間と全てを出し切れた」と振り返った西村。エースとして戦った誇りを胸にしまい、高校野球に別れを告げた。

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