明徳義塾 あと一歩も代木「悔いなし」エース最後までマウンド登らず

 涙を流す明徳義塾・代木(左)に言葉をかける竹村(4)ら智弁学園ナイン
 9回、右中間にソロを放つ代木
2枚

 「全国高校野球選手権・準々決勝、智弁学園3-2明徳義塾」(26日、甲子園球場)

 明徳義塾(高知)があと一歩で2016年以来の4強入りを逃した。好投を続けていた先発・吉村優聖歩投手(2年)が、最終回に打ち込まれてサヨナラ負け。エース左腕の代木大和投手(3年)は、九回に2試合連続の勝ち越し本塁打を放ったが、最後までマウンドに上がることはなく、高校野球に別れを告げた。

 敗戦後、目を真っ赤に腫らした代木は、ぼう然とする吉村の胸を何度も叩き、ありったけの思いを伝えた。

 「絶対、あと2回、甲子園へいって、借りを返してくれ」

 1点リードの九回、無死満塁のピンチ。押し出しで同点になっても、馬淵史郎監督(65)は動かなかった。代木のブルペン投球がいまひとつだったといい「いちかばちか」で吉村続投を選択。インコースで打ち取ったかに見えたが、フラッと上がった打球は前進守備の頭上を越えた。

 高校最後となった試合で登板はなく、強力打線に立ち向かう吉村へ、一塁から声をかけ続けた代木。「本当に吉村が粘り強く投げていた。僕は一塁、バッターとしてチームのために。まあ、でも、投げたかったですけど、チームのことが第一なので」。言葉に詰まったのも一瞬、己の思いは胸にしまい込んだ。

 最大のライバルであった高知・森木大智投手(3年)の背中を追った3年間でもあった。愛媛県出身、森木のいる高知県へ越境入学に周囲からは「(甲子園は)絶対無理やろ」という声も聞こえてきた。しかし代木は「勝っても負けても、やりきった、と思える確信があった」と、明徳義塾でのプレーを選択。入学時には腹筋も満足にできなかったが、練習に練習を重ねて森木を破り、甲子園の舞台で「悔いはない」と言い切ることができた。

 今後はプロ志望届提出を視野に入れつつ、周囲と相談するという。「成長させてくれた」甲子園での経験を胸に、新たな世界へ歩を進める。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス