智弁和歌山・奨哉 孫が決めた!高嶋家聖地1号 15年ぶり4強導いた!

 「全国高校野球選手権・準々決勝、智弁和歌山9-1石見智翠館」(26日、甲子園球場)

 3回戦に続き、またも祖父&父超えだ。智弁和歌山・高嶋仁名誉監督(75)の孫・奨哉内野手(3年)が聖地1号を放ち、チームを2006年以来15年ぶりとなる準決勝進出に導いた。高嶋家としても甲子園初アーチのメモリアルな一発。その他の3試合でいずれも近畿勢が勝ち上がり、大会史上初めて同地区4校が4強を独占した。

 会心の当たりを打った瞬間、奨哉は自然と右拳を突き上げた。1-0の二回に先頭で迎えた第1打席。1ボールからの2球目を完璧に捉えた。「どんどん振っていこうと決めていたので。すごく気持ちよかったです」。大会第30号を左翼席中段へと突き刺し、ダイヤモンドを一周しながら笑顔がはじけた。

 解説者として球場を訪れ、スタンドから見届けた仁氏も手をたたいて喜ぶほどの豪快弾だった。祖父と父・茂雄さん(46)は選手時代、それぞれ甲子園通算1安打のみ。高嶋家では三代目にして初となる聖地弾がチームを勢いづけ、15安打9得点の猛攻を呼んだ。

 監督として甲子園通算最多68勝を誇る名将も、奨哉にとっては気軽に相談できる“おじいちゃん”だ。正月に家族で集まり、ここぞとばかりに野球を教えてもらった。近くのグラウンドでともに過ごした時間は、いまでもすぐに思い出として浮かび上がる。

 祖父が歴史を作り上げてきた強豪の門をたたいて以降も、アドバイスをもらい続けている。「しょっちゅう来るんですよ、『どうしたらいい?』と聞きに」と仁氏。今大会中は試合前に電話で打撃を確認するのが日課となっており、孫の頼みをうれしそうに聞き入れている。

 技術は偉大な家族の力を借りる一方、精神面は球界のレジェンドの教えが息づく。昨年12月に米大リーグ・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)から緊張の中でいかに最高のパフォーマンスを発揮するか、指導を受けた。“初戦”となった3回戦で2安打を放ち、自信につなげた。

 極上の助言を胸に日本一まであと2勝に近づいた。近江との準決勝へ向け、「勝負どころのバッティングにこだわって」と奨哉。3度目の夏制覇へ、打撃好調の背番号5は欠かせない存在だ。

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