阪神・西勇輝が100勝目前で突然の足踏み 北別府氏がその原因を分析
阪神の西勇輝投手(30)が通算100勝を目前に5連敗。足踏み状態が続いている。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は西勇を「15勝級の投手」と評価しながら“下半身のへばり”がそれを阻んでいる可能性があると指摘した。
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五輪ブレーク明け初戦の広島戦で、いきなり初回に4安打を集められて4点を取られていた。ちょっと驚いたね。
2戦目の中日戦は二回に、これも4安打の集中砲火を浴びて5失点。早いイニングでの、しかも大量失点で波に乗れず、負け投手になっていた。
西勇らしくないね。夏場に入って、こういう投球が目立つ。7月2日の広島戦でも二回に7安打7失点。それ以外のイニングは抑えているのに、打たれ出したら止まらない。
西勇は制球が良く、球のキレで勝負するタイプ。なのに打たれるということは、ボール球を振らせるだけのキレがないとしか考えられない。
どうしたのかと思うね。私も同じタイプの投手だったからよく分かります。
球威のある投手は立ち上がりから勢いで攻めるものだけど、制球力やコンビネーションを持ち味にしている投手は、投げていくうちに徐々に制球が定まってくるもの。そうやって自分のペースに引き込むんです。
ただ、球にキレを欠いている状態だと、自分のペースに持ち込む前に打ち込まれてしまう。その後、ようやくエンジンがかかるという感じ。
とはいえ、技術的にも本来の西勇ではないのかもしれない。球にキレがないということは、下半身がへばっていることが多い。
地面に対して踏ん張る力が落ちると、重心が高くなり、その分、球が浮く。
腕が横から出るタイプだからリリースポイントが早いと、球は抜けて上ずるもの。
いずれにしても“下”が我慢できずに“上”が回るからリリースが早まり、指にボールがかからない。どうもそういう感じがしてならないね。
彼は過去最多の勝ち星が12と意外に少ないね。あの投球術からすれば、15勝してもおかしくない投手でしょう。
ボールを長く持ったり短く持ったりする独特のリズム。彼特有のこの間合いで、みんな術中にはまっている。
なのになぜ大きく勝てないのか。
先にも触れたけど、下半身にへばりが出ると重心が高くなる。そうなると、上半身と下半身のタイミングも合わなくなる。毎年、ある時期になると、そういった現象が顕著に現れてくるからではないか。
もう夏場も終わりに近づいているが、遠投を取り入れるとか、投球練習の方法を変えるとか、走り込むのもいい。何か自分なりに工夫を入れるといいね。
それともうひとつ。あと1勝で通算100勝らしいが、節目の前はだれでも力が入るもの。いろんな要素が働いての足踏みかもしれない。
まず先頭打者、次に初回、そして二回と、目の前の1人1人を抑えていくこと。単純だけど、それが一番ではないかと思う。
西勇輝投手は100勝で足踏みするような投手ではない。その先を見すえて、ここはひと踏ん張りしてもらいたいものです。



