さすが策士 明徳が2つの作戦で風間攻略 馬淵監督「前の試合でけん制を投げていない」
「全国高校野球選手権・2回戦、明徳義塾8-2ノースアジア大明桜」(22日、甲子園球場)
明徳義塾(高知)が16年以来、夏5年ぶりの3回戦進出。試合巧者ぶりを発揮し、今秋ドラフトの目玉に挙がるノースアジア大明桜・風間球打投手(3年)を攻略した。
高校野球界屈指の策士ぶりを発揮した。名将・馬淵監督の剛腕、風間対策がはまった。「高めのボールは振ったが、一球でも多くなげさそうと。二回で50球。いいペースだぞと言っていた」。150キロ超の速球にファウルで粘り、球数を投げさせた。
「速いピッチャーから緩いピッチャーになると打ちやすい。風間君を(マウンドから)降ろすんだと。2ストライクから食いつき、ファウルボールにしたのが大きかった」
風間対策のもうひとつは機動力。失敗したものの、初回からスチールを狙うなど、塁上で風間を揺さぶった。馬淵監督は「この前の試合で、けん制球を一球も放っていない。けん制球が苦手なんじゃないかと言うことで、機動力を使おうと。クイックも急ぐ。そうなると余計にコントロールが悪くなるんじゃないかと。そこを狙おうと」。結果的に風間は6回までに139球を投げ、降板した。
風間降板後、七回にはスクイズで空振りする間に三走が生還。記録上トリプルスチールで追加点を挙げるなど、徐々に明桜を突き放した。しぶとさのあるチームカラーが、随所に出た試合。「普段から170センチが切れているのが5人出ている。パワーは勝てないがしっかりやれば対等に戦えると口酸っぱく云っている。そういうゲームができた」。継投もはまり、馬淵監督は満足そうに笑みを浮かべた。



