「中田翔よ エコノミークラスを思い出せ」WBCで“戦友”高代延博氏が強烈ハッパ
巨人が20日、日本ハムから中田翔内野手(32)を無償トレードで獲得した。あっと驚く電撃移籍。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏はWBCの“戦友”中田に対し、「野球ができる幸せをかみしめて、初心に戻って死に物狂いでやり直せ」と強烈ハッパをかけた。
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本当に驚いた。アマチュア選手の指導先で関係者から聞かされたのだが、移籍先が巨人というから、なおさらビックリした。
日本ハムのチーム内で起こした行為は理由が何であれ、決して許されるものではないですよ。
アマチュアもプロもそれは同じ。アスリートでも、それ以外の教育の現場でも、暴力は絶対悪。
記者会見をニュースで見て、猛省している様子は伝わってきたが、今後は仕事への姿勢でそれを示していくしかない。
彼は2013年のWBCで同じユニホームを着た仲間だった。一緒に戦っただけに、巨人に与えてもらった再出発のチャンスを、私もじっくり見守りたいと思う。
あの時は米国へ移動する飛行機で、ビジネスクラスの座席が2つ足りず、そのため若手がエコノミークラスに回ることになった。年功序列だから仕方ないよね。
それが最年少の今村(広島)とその2つ上の中田翔。大きな体を小さくして座っていたけど、その初々しい姿が忘れられない。見た目と違い、どこかはにかんだ雰囲気をもっていたしね。
野手では中田が最年少。未来あるあの若者がその後、打点王のタイトルを3度も取る一流の打者になっていった。その成功を大切なチームメートに対する“愚行”でむだにしてはダメ。
最悪、野球ができなくなるかもしれない窮地を救ってくれたのが巨人。それはなぜか。リーグ優勝のためだろう。理由はそれしかあるまい。
世間の目、チームメートの目…みんなが中田を見ている。苦しい立場にあるけど、野球ができるという幸せをかみしめて、初心に戻って死に物狂いでやり直すしかない。
今年は調子を落としていて目立った活躍はない。とはいえ実力はある。
WBCでノックを打った経験から言うと、守備力も備わっている。恐らく一塁か外野だろうが、器用にこなすし、肩もある。
どんな起用になるか分からないが、獲得した以上、当然1軍戦力と見なしているはず。
結果がすべての世界なのだから、中田はその結果を残し、チームの期待に応えるしかない。