巨人、素直に喜べない逆転勝ち「雑な攻撃と疑問の配球」高代氏が指摘

「ヤクルト2-3巨人」(18日・坊っちゃんスタジアム)

 巨人がヤクルトに逆転勝ちし、2位の座を守った。だが、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は攻撃と配球に関する疑問点を列挙。「勝つには勝ったが、クリアすべき課題はある」と厳しく指摘した。

   ◇  ◇

 巨人には攻守において疑問に感じることがあった。

 まずは初回の攻撃。先頭の松原が初球に手を出し二ゴロ。コースは多少甘かったが、手を出してはならない低めの球だった。

 積極的に打っていくのが松原のスタイルだとは思うが、ヨーイドンの1球で簡単にアウトを取られて、2番打者の坂本も困ったことだろう。

 マウンドにいる投手はボールを低めに集めてくる石川。打てそうだからと言って闇雲に打ってはいけない。2打席目も低めの球を振っていた。これこそが石川の思うツボなんですよ。

 私は中日や阪神のコーチ時代、石川と対戦する時は必ずミーティングで“低めは絶対に我慢するよう”徹底させた。難しいのは確かだが、徹底すれば投げて来なくなるもの。

 松原は1番打者だけに、球数を投げさせる意識も必要。思い切りのいい選手だが、こういう思考も加われば、さらにレベルが上がると思う。

 2つ目は配球。先発した直江は初回、先頭打者の塩見を2ストライクと追い込んだあと、見事なフォークボールで空振りの三振に仕留めた。

 これを見た瞬間、“今日はフォークが多くなるだろうな”と思っていたが、その後は直球+スライダーという普通の配球になった。

 二回、村上に打たれた本塁打は初球のスライダー。私は初球からフォークを使うとみていただけに、首を傾げるしかなかった。

 これほどのいいフォークを持っているのなら、カウント球と決め球の両方で使えるはずなのに、そういう配球は見られなかった。

 この日の直江は緊張のせいか、投げっぷりが悪かった。制球を意識しすぎているように感じたが、大城のリード次第では、もう少し投げることができていたかもしれない。

 初回の雑な攻撃と、直江に対して疑問の残る配球が目についたとはいえ、七回に放った中島の右前への逆転打はさすがだった。

 彼はバットの“出”がいいから広角に打てる。反対方向へ打つ技術もあるし、その意識も持っている。

 石川用に先発起用されたのだろうが、右の石山にスイッチされても、そのまま打席に立ったのは、ベンチの信頼が厚いからにほかならない。

 また付け加えれば、前夜の試合で送球ミスが相次いだが、この試合はその反省が生かされていた。併殺4つを取れたのも大きい。

 基本的なことだが、キャッチボールが大事だということを再認識させられる2連戦でもあったね。

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