【メジャースカウトの眼】粗削りも魅力大 明徳義塾・代木君と神戸国際大付・阪上君
「全国高校野球選手権・1回戦」(15日、甲子園球場)
夏の甲子園が2年ぶりに幕を開けた。49校の熱戦に、スカウトたちもスタンドから熱視線。今大会もカンザスシティ・ロイヤルズの大屋博行国際スカウトがメジャーの視点から金の卵を分析する。
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高校生ならではの粗削りな2投手に注目した。明徳義塾(高知)の左腕、代木君は、球持ちの長さに目を奪われた。気負いなく、手にくっついているように球を送り出す。プロで必要な粘っこさがある。
185センチ、81キロという体格もいい。この日は135キロ前後の速球でまだまだ未完成だが、車にたとえれば排気量は後からでも増やせる。これだけ左の投球術を身につけているなら、将来的にはプロの1軍で投げている姿も想像できる。
タイプは違うが、神戸国際大付(兵庫)の阪上君も荒々しさが魅力。球が指にかからなければ140キロ足らず、かかれば140キロ台後半が出るのは生来の体が強いから。スプリット、縦のスライダーなど、変化球のキレは一級品と言える。
それらもまとまりはなく、野手がそのまま投げているようではある。それでも、どこかソフトバンク・千賀の若い頃のような器の大きさを感じる。育成からうまく育てれば面白いだろう。