侍・稲葉監督「悔しさを忘れないため」自宅に飾られた背番号「41」のユニホーム

 「東京五輪・野球・決勝、日本2-0米国」(7日、横浜スタジアム)

 決勝戦が行われ、日本が米国を2-0で下し正式競技となってからは初の金メダルに輝いた。稲葉篤紀監督(49)はゲームセットの瞬間、目に涙を浮かべ感慨に浸った。仲間達の手によってマウンドで計5度、胴上げされた指揮官。オールプロで臨んだアテネ五輪から17年、「結束」を合言葉に全勝で最高のメダルへとたどり着いた。

  ◇  ◇

 稲葉監督の自宅には北京五輪で着用した背番号「41」のユニホームが飾られている。新築の際に「ユニホームは何を飾ろうとなった時に、あれは飾っておいた方がいいなと」。理由を聞くと「悔しさを忘れないため」と答えたが、すぐに「あと…」と言葉を続けた。

 「初めてジャパンに入った時の気持ちを忘れちゃいけないなと。ドキドキもしたけど、やっぱりうれしかった」。子供のような笑みとともに振り返った。

 北京五輪は敗戦の記憶。苦しかった、悔しかった…それは確かだ。一方で「苦しいだけじゃなくて、あの時の初々しさを忘れちゃいけない」と日の丸を背負う喜び、その原点を忘れないためのユニホームなのだという。

 07年の北京五輪予選から選手、コーチ、監督として常に代表に籍を置いてきた。「実は代表歴が長いんだよね。それだけ思い入れがあるんだよ」。だからこそ「勝ちたいし、勝たせてやりたい」と強い思いを抱いてきた。勝利によって喜び、誇り、引き継がれる伝統が生まれる。未来の侍たちへ-。そんな指揮官の思いも成就した金メダルだった。(デイリースポーツ侍ジャパン担当・中田康博)

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