【谷佳知氏の眼】速球を一振りで仕留めた侍・山田の技術、勝負強さ

 「東京五輪・野球・準決勝、日本5-2韓国」(4日、横浜スタジアム)

 悲願に王手!!決勝トーナメント準決勝が行われ、日本は韓国との激戦を制して決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。六回に2点リードを追い付かれたが、八回2死満塁でヤクルトの山田哲人内野手(29)が走者一掃の決勝3点二塁打を放った。7日の決勝では、5日の敗者復活3回戦・米国-韓国の勝者と対戦。正式競技としては初の金メダルを目指す。

  ◇  ◇

 さすが山田という一打だった。初球の真っすぐを捉えたというのが本当にすごいこと。八回から出てきた韓国の投手は球が速い。狙いは真っすぐに絞っていたはずで、それが初球に来たが迷わずに振りにいった。

 これをファウルにせず、仕留めたのが山田の技術の高さであり、大舞台での強さでもある。もしファウルになっていたら違った展開になった可能性もある。自分の打席が来るまで投球を頭の中に入れ、準備ができていた。改めてすごい打者だなと感じた。

 もちろん、みんながつないでチャンスを作ったから、山田の決勝打も生まれた。スタメンに並ぶ打者は、甲斐以外はプロ野球ではクリーンアップを打っているが、今回の五輪では四球や進塁打で次打者につなぐ打撃を各打者が意識している。調子がいい山田や坂本にチャンスで回せば、必ず走者をかえしてくれるという信頼感もチーム内にはあるはずだ。

 五輪の決勝進出は私が出場したアトランタ五輪以来だという。当時も金メダルを目指していたが、キューバに敗れて悔しい思いをした。地元開催の今回、後輩たちがあの時の悔しい思いを晴らしてくれるはず。今の日本には勢いがある。決勝も厳しい戦いになると思うが、期待している。(96年アトランタ銀、04年アテネ銅)

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