侍・山田 A組1位通過弾 頼もしすぎる!“国際大会男” 主要3大会で本塁打

 「東京五輪・野球・1次リーグ、日本7-4メキシコ」(31日、横浜スタジアム)

 1次リーグが行われ、正式競技としては初の金メダルを狙うA組の日本は、メキシコに7-4で快勝して2連勝で1位通過を決めた。ヤクルトの山田哲人内野手(29)が四回に今大会の「侍ジャパン1号」となる3ラン。WBC、プレミア12、五輪の国際主要3大会で本塁打を放った初めての日本選手となった。2日の準々決勝はB組1位・米国と対戦する。

 手に残った確かな感触を、山田は強い拳で握った。歓喜に湧く仲間の姿が瞳に映ると、ようやく笑顔を見せる。東京五輪1号。「角度がついてくれた。うまく反応して打てたのかなと思います」。横浜の青空に、白球が美しい弧を描いた。

 大きな見せ場は1点リードの四回。連打で作った1死一、三塁の打席で、山田が打席へ向かった。「しっかりここで結果を出したい」-。強い覚悟が、バットに伝う。初球の直球を捉えると、左翼席へズドン。チーム初本塁打となる豪快3ラン。一振りで魅せた。

 これでWBC、プレミア12、東京五輪と国際主要3大会で、全てアーチを描いた初めての日本人選手になった。さらに主要3大会での6本塁打は、松中(元ソフトバンク)、中田(日本ハム)に並んで2位。頼もしすぎる“国際大会男”で、日本を鼓舞した。

 だが、魅力は長距離砲だけではない。八回だ。今度は2死二塁から、中前適時打を放つなど、この日は4打点と大活躍。さらに2つの盗塁も決め、トリプルスリー3度の足も健在。稲葉ジャパンの掲げる「スピード&パワー」を体現した。

 五輪は憧れの舞台だ。幼い頃には柔道の谷亮子、水泳のイアン・ソープ…。「めっちゃ強いな、めっちゃ速いな。家族全員で応援していた思い出があります。『頑張れ、頑張れ』って」。国を背負って戦うアスリートたちを見て、「僕も野球頑張ろう」と山田。歴史を紡いできた選手らは、少年時代の憧れだった。

 東京五輪が決定した13年は、当時21歳。15年にはプレミア12に出場し、17年にはWBCを経験。19年のプレミア12では世界一にも輝いた。何度も日の丸を背負ってきたが、五輪の舞台をイメージできたのは19年頃からだったという。「こんなチャンス二度とないと思って挑戦します」と前だけを向き、この大舞台を見据えてきた。

 世界一を掲げるチームは、快進撃を続けている。初戦のドミニカ共和国戦で2点を追う九回に逆転サヨナラ勝ち。山田自身も九回につなぐ中前打を放ち、「こうやって粘り強い野球ができたのは、チームとして自信になった」と勢いを継続させた。

 連勝で一次リーグA組を1位突破。先輩たちが届かなかった正式競技としての金メダルへ、また一歩進んだ。それでも、山田は言う。「まだ世界一になったわけではない。気を引き締めて、残り3連勝できるようにしたい」。みんなで笑うのは、もう少し先だ。

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