浦和学院・森監督 ラスト聖地!優勝インタビューで退任表明 30年節目に決断

 「高校野球埼玉大会・決勝、浦和学院10-4昌平」(28日、大宮公園野球場)

 歓喜の直後に異例の発表となった。浦和学院が13安打10得点の快勝で、2018年以来3年ぶり14度目の優勝。同校を30年にわたって率いてきた森士(おさむ)監督(57)が優勝インタビューの最中に、今夏限りでの退任を表明した。頼もしい教え子とともに最後の聖地を踏みしめる。

 優勝インタビューから2分が過ぎたあたりで、森監督は「ちょっと時間をいただいて」と切り出した。「この夏の大会をもって監督を退任しようと考えております」。聖地出場決定もつかの間、勇退宣言が飛び出した。

 91年の監督就任から今夏を含めて春夏通算22度の甲子園出場へ導き、13年センバツでは優勝を果たした名将。19年の秋季埼玉大会後から“引き際”を探り、監督生活30年となる今夏に照準を定めた。

 ただ、決断直後には新型コロナウイルスがまん延。21年の年明けには寮内でクラスターも発生したが、逆境を乗り越えた。

 「この夏は自分の中で最後と決めていたからこそ、(コロナ禍などを)プラスに転じていけるようなことを必死に考えた。そこを選手たちが感じ取ってくれて。非常に、新たに絆が深まったかな」

 クラスターによる活動停止で冬場の練習が満足にできなかった中でも、ナインは戦いながら力をつけてきた。大勝、接戦、逆転勝ち-。今大会はどんな展開にも対応し、チームが掲げてきた全員野球で勝ち進んでいった。

 指揮官の決意には選手もうすうす感づいていた。主将の吉田瑞樹捕手(3年)は「監督を甲子園に行かないまま終わらせるわけには」と中心となって結束を強めた。「選手の頑張りをたたえたい」と森監督。最高の教え子の手で3度、宙に舞った。

 「伝統校をしっかりと引き継いでくれることを期待して」と長男・大部長(30)に後任を託すが、聖地でのラスト采配という大仕事が残っている。「一日でも長く監督生活をエンジョイできれば」。花道はまだまだ続く。

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