“省エネ投法”の巨人・戸郷に疑問符 高代氏「楽を覚えては未来はない」

 「阪神4-1巨人」(9日、甲子園球場)

 首位攻防の第1ラウンドは七回途中降雨コールドで阪神が巨人に勝った。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は、試合の明暗を分けたのは雨ではなく「全力投球の秋山と手投げの戸郷の差」と断言。「楽をしては未来はない」と戸郷の省エネ投法?に疑問符をつけた。

   ◇  ◇

 巨人が降雨コールドで阪神に負けるのは今年2度目だね。不運と言えば不運。

 投手の戸郷にすれば、バックの連続失策がもとで先制点を与えたわけだから、実に気の毒な試合だった。

 しかし、戸郷の投球については、あえて指摘しておきたいことがある。それは明らかに手投げになっている点だ。

 キャッチボールの延長のような投げ方。リリースの瞬間に左膝を突っ張って、背伸びをして投げているように見えるんですよ。

 無用な力を入れず、リラックスして投げているのなら悪くはないが、頭角を現した去年は、もう少し下半身を使って投げていたように思う。

 球速も147、148キロがほぼMAXかな。意識的に抑えているのだろうが、若いうちからこういう投球をしていると、早々と限界を作ってしまわないか、未来を閉ざしてしまわないかと心配してしまう。

 この試合は特にその傾向が目についたし、試合開始早々からそれを感じていた。

 楽を覚えてはいけないと思うよ。投手が楽をすると相手打者も楽になる。なぜなら球離れが早くなり、ボールが見やすくなるから。

 この試合、打ち込まれた印象はない。6回で5安打。ただ、リーグでトップの8勝もしているのに防御率は4点台に近く、決していいとは言えない。

 戸郷は将来性豊かな投手だけど、本格派の投球と違う。かといって技巧派でもない。今はどっちつかずの投げ方になっているのではないかな。

 一方、技巧派の典型とも言える秋山の投球内容は素晴らしかった。技巧派ほど変化球を生かすために腕を振るから全力投球になる。その特長が見事に出ていた。戸郷とは対照的だったね。

 秋山の球速は140キロ前後なのに、この日は直球を見逃す三振が目立った。梶谷、北村、そして岡本。カウント球でも使えていたし、結構甘い球もあった。なのにバットが出ないし、打たれない。絶好調の丸でさえ差し込まれていた。

 なぜバットが出ないのか、打席に立って見てみたいくらいだった。配球や腕の振りもあるんだろうね。

 その秋山も、かつては踏み出した左足が突っ立つ傾向があったのだが、今は左足の使い方に余裕が出てきている。そこに進歩がうかがえる。

 若い戸郷については巨人サイドも成長途上にある投手という認識だろう。資質は十分。その将来を明るいものにするためにも、力を込めた投球が見たいと思うね。

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