巨人バッテリーはもっと野球を勉強しないとホークスには勝てない 高代氏が指摘
巨人が宿敵?ソフトバンク相手に屈辱の大敗を喫した。日本シリーズの再現を思わせるような4被弾の逆転負け。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「巨人バッテリーはもっと野球の勉強をしないと勝てない」とズバリ“直球”で指摘した。
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先発した畠が悪すぎた。投げっぷりが悪いし、点の取られ方も悪い。去年の日本シリーズのリベンジどころではなかったね。
彼は力のあるストレートを持っている。勢いや荒々しさを感じる投球が持ち味だと言ってもいい。つまり変化球投手ではないということ。
ところが、この試合では、変化球でかわそうという、どうもこぢんまりとした印象しか受けなかった。
初回、栗原にフルカウントから内角へ投げたチェンジアップを右翼へ2ランされた。コースは悪くなかったが、ベルトの高さに入った甘い球。これでせっかくもらった2点を一気に吐き出した格好になってしまった。
投球の組み立てに変化球は必要だ。しかし、変化球を投げるときは、とりわけ細心の注意を払わなければならない。チェンジアップが高めから落ちてくれば、単なる緩い球に過ぎず、危険度は増すからだ。
大城もミットを地面につけるくらい大げさに構えるべきだったと思うよ。
投手心理からすると、四球を出したくないから、どうしても甘くなる。そこは捕手の責任でリードしなければいけない。
次の打者が4番の柳田という意識が働いたのだと思うが、チェンジアップを投げるのなら、絶対にボールが浮くような結果になってはいけない。
ただそれ以前に、チェンジアップの選択そのものに疑問を感じた。あそこは畠の良さでもあるストレートで押すべきだった。
二回、バレンティンに左翼へ打たれたソロ本塁打は、外角を狙ったカーブが中へ甘く入ったところを運ばれたもの。低めではあるが、コースが甘い。
ヤクルト時代から甘い変化球を捕らえるのがうまいバレンティンを思えば、これも投げてはいけない球だったね。
3発目を柳田に食らい、リリーフの桜井もバレンティンに打たれて、最終的には4被弾の大量失点となったが、敗因を探れば、初回と二回のあの2球に尽きる。
巨人は配球面で相手の嫌がる攻め方をするなど、バッテリー間でもっと野球の勉強をしないと、この先もソフトバンクに勝つのは難しいと感じる。
去年の日本シリーズでは4戦目に先発した畠が初回に先制点をもらいながら、その裏に柳田に2ラン、二回にも甲斐に2ランを浴びて、あっさり逆転された。
そのVTRでも見ているような内容に落胆してしまった。先制点をもらい、それを守りにいったあげ句の逆転負け。まったく同じ内容でしょう。
巨人には明らかに苦手意識があるし、ソフトバンクからは“いつでも逆転できる”という自信が見える。
でも“巨人の力負け”で片づけられては、あまりに寂しい。プロ野球ファンのためにも、その差がこれ以上開かないことを祈るばかりだね。