「巨人５－３阪神」（１５日、東京ドーム）

　巨人が劇的勝利。伝統の一戦、通算２０００試合目の節目の戦いは大熱戦となったが、九回の大ピンチをしのぎ、逃げ切った。

　しびれる展開だった。２点リードの九回、抑えを託した鍵谷の制球が定まらず、１死満塁の大ピンチ。ここで原監督は鍵谷をあきらめ、左の糸原に左の大江を送った。大江が空振り三振に仕留めると、右のマルテに右の野上を投入。右腕が遊ゴロに仕留めて逃げ切ると、ベンチの指揮官も両腕を突き上げた。

　ヒーローインタビューを受けた野上は「１点はしょうがないと。大江も頑張ってくれたので、腕を振りました。２死満塁でしたが、ランナーなしのつもりで投げました」と振り返った。西武からＦＡで巨人に加入したが、アキレス腱断裂の大けがもあって苦しいシーズンを送ってきた。この苦難を乗り越え、今季はブルペンに欠かせない存在となっている。右腕は「今、勢いのあるタイガース、止められるように明日も頑張ります。マウンド立てば楽しんで投げることだけ。１試合１試合、一球一球楽しんで野球をやりたいと思います」と語った。

　野上につないだ大江の活躍も見逃せない。野上とともにお立ち台に上がり「とにかくひとり全力で打ち取るつもりで上がりました。準備はできてました。スライダーが決まって良かったです。今まで全然活躍できなかったが、抑えられて良かった。これからも抑えたい」と笑った。

　伝統の一戦は巨人の１０９４勝８３５敗７１分けとなった。