天理・達 ド執念、魂の164球「よかったところない」 乱調エースを打線がカバー

 「選抜高校野球・準々決勝、天理10-3仙台育英」(29日、甲子園球場)

 準々決勝4試合が行われた。天理の193センチ右腕・達孝太投手(3年)が、今大会最多164球の大熱投で、優勝した97年以来24年ぶりの4強進出に貢献した。智弁学園が敗れたため、奈良県勢初のアベック4強はならなかった。30日は休養日で31日の準決勝は天理-東海大相模、明豊-中京大中京の組み合わせで行われる。

 エースとしての意地を見せた。「野手の期待に応えられるようにという気持ちで投げていました」。天理・達が“魂の164球”でチームを24年ぶりの4強へ導いた。

 今までにないほど苦しんだ。初回、連続三振で上々の立ち上がりに見えたが、2死から3連続四死球を与えた。その後も制球が定まらず、五回までに103球を費やして計8四死球と乱れた。

 中村良二監督(52)も「達でもこんなピッチングするのかと。正直どうなるんだろうと思った」と振り返ったほどの乱調ぶり。自己採点を「0点です。よかったところが全くない」と振り返ったが、それでも要所を締めて8回を3失点(自責点2)に抑えたところに、プロ注目右腕のポテンシャルが見えた。

 仲間にも救われた。「実は四回まで今日はダメだな…と思っていた」という右腕の不安を感じ取った野手陣が奮闘。4番・瀬が「達のために打とう!」と3安打3打点で打線をけん引し、計9安打10得点の援護でエースの“勝ちスイッチ”を押した。

 ようやく見えてきた頂点まで、あと2勝。ここまで459球を投じてきているが、「マウンドを譲る気はない」と言い切った達。自分の手で“日本一”の景色を見に行く。

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