ロッテ・井上、号泣サヨナラ打「どうしても打ちたかった」

 「ロッテ4-3楽天」(13日、ZOZOマリンスタジアム)

 巨漢のロッテ・井上の感情がとめどなくあふれ出る。今季5度目のサヨナラ勝ちでナインにもみくちゃにされた途端、大粒の涙を落とした。「期待に応えられなくて、どうしても応えたくて…。どうしても打ちたかったんで」。お立ち台でも人目をはばかることなく、おえつを漏らした。

 六回から3イニング連続得点で同点に追いついて迎えた九回1死一塁。ブセニッツの外角低めのカットボールにバットを必死で伸ばし、決勝の打球を右中間に深々と運んだ。

 チームは非常事態の真っ最中だ。1軍選手8人が新型コロナウイルス陽性判定を受けるなど濃厚接触者を含めて計13人が離脱。2軍から若手をかき集め、リーグ優勝を争うという大ピンチが続く。

 自身の打撃は10月に入って下降線をたどり、この日も最初の3打席は無安打2三振。ようやく責任を果たせた思いで感情を抑えきれず「自分の私情を持ち込んですみませんでした」とわびた。首位ソフトバンクとのゲーム差は2のまま。少ない戦力でも勝つことで勢いは増す。主力が戻るまではあと少しの我慢だ。

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