DeNA・伊勢 うれしいプロ初勝利 苦い聖地の思い出拭い去る2回0封
「阪神3-5DeNA」(10日、甲子園球場)
ヒーローインタビューを終えると、DeNA・伊勢は初々しく帽子を取って声援に応えた。同点の五回から3番手で登板し、2回を無安打無失点。高校時代に辛酸をなめた甲子園で相手の勢いを完璧に止め、プロ初勝利を手にした。
最速150キロの直球と変化球のコンビネーションがさえた。「率直にうれしいです。七回以降、味方の投手が抑えてくれて勝てた」とはにかんだルーキー。「いずれ自分も勝ちパターンで投げることを目指しているので、アピールを続けていきたい」と意気込む。
九州学院3年時に出場したセンバツは、八戸学院光星に9回9失点と打ち込まれ初戦敗退。夏の選手権は2学年下のヤクルト・村上とともに出場したが、初戦で遊学館を相手に8回5失点で敗れた。
「どんなマウンド、どんな硬さだったか、本当に記憶がなくて」と苦笑い。「打たれたら今後(甲子園で)使ってもらえなくなる。何も考えずに投げました」と無我夢中で腕を振った。苦い思い出を振り払い、憧れの聖地で挙げた1勝。チームにとっても価値ある白星になった。