ドラフト注目選手 福岡大大濠・山下 聖地でベール脱いだ!150キロ&宝刀カーブ

 10月26日のドラフト会議まで1カ月を切った。新型コロナウイルスの影響で、前例のない混沌(こんとん)とした様相を呈するドラフト戦線で、要注目となる候補選手を3回にわたって紹介する。最後は高校生編。初めての全国の舞台となったプロ志望高校生合同練習会でアピールした最速153キロの福岡大大濠・山下舜平大投手や、明石商・中森俊介投手らが1位候補にもなる逸材だ。

  ◇  ◇

 名前は知られた存在であっても、全国的な舞台に出たことが初めてであり、そこで評判通りの強烈な光を放ったところに価値がある。山下が「初めてだったのでグラウンドに入った瞬間、とても感動しました」と振り返った充実のマウンドは、8月30日に甲子園で行われたプロ志望高校生合同練習会だった。

 最速153キロ右腕は、シート打撃に登板し、打者5人に対して1安打1四球3三振。許した安打は、補助で参加した大学生によるもので、参加者唯一となる150キロを計測した。「今の自分の調子よりは少しいい投球ができたかなと思います」。結果だけでなく、直球とカーブの2種類で抑えた内容にも、将来性を感じさせた。

 「高校に入ってすぐ、監督の方からカーブだけを投げろと言われて、最初はそれから始まって、今はカーブを磨いて、カーブでも抑えられるように考えて練習しています」

 中学時代はスライダーやチェンジアップも投じていたが、福岡大大濠・八木啓伸監督の、小さくまとまってほしくないという考えから、変化球はカーブだけに限定された。さらに、昨秋から「股割り」で下半身強化を徹底したことも成長につながっている。

 合同練習会での投球を見たプロスカウト陣からは、絶賛の言葉が並んだ。阪神・畑山統括スカウトは、29日の練習も含めて「キャッチボールや遠投だけを見ても、上位候補、1位候補に値するぐらいの形を見せてくれた。素晴らしい素材であることを確認できました」と評価。中日・中田スカウト顧問も「素晴らしい素材。プロでもエース級になれるポテンシャルだと思う」と褒めたたえた。

 山下は「上のレベルで勝負していける投手になりたい」と話す。志望はプロ一本。夢を信じてドラフトの日を待つ。

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