オリックス【きょうは何の日】1991年、ルーキーの長谷川が10勝目、新人王当確
「ロッテ1-3オリックス」(1991年9月14日、川崎球場)
オリックスのルーキー長谷川滋利があと一人のところで球史に名を残し損ねた。
1959年に南海・木村保投手が達成したパ・リーグ新人記録の29回連続無失点。そのタイ記録に迫った八回2死三塁。代打・五十嵐を追い込みながら痛恨の右前適時打を打たれた。この瞬間、連続無失点記録と3試合連続完封が消えた。
「ダメだ。こんなもんですよ」
新人王当確の2桁勝利を挙げて、チームメートから祝福されても長谷川は悔しさの方が勝った。
「無失点のことは全然知らなかった。開幕から6連敗したから勝つことしか考えてなかったですよ。五回に3点目が入ったときには何とか(完封を)と思ったのに、八回のタイムリーはスライダーのボール球、ワンバウンドにしたら絶対に振るところなのに。ワンバウンドしなくて…」
それでも堂々の1失点完投勝利。土井正三監督は「八回をのぞけばピンチを併殺や三振でしのいで粘りがあったね」と褒めた。
記念のウイニングボールもあっさりスタンドに投げ込んだ長谷川。
「これからもチャンスはありますよ」
さわやかに笑った。
この試合、ブーマーがユニホームを忘れて欠場する“職場放棄”のアクシデントがあったが、小川博文の5号ソロ、藤井康雄、松永浩美の適時打などでカバーした。
当日のスタメンは次の通り。
(4)福良淳一
(6)小川博文
(5)松永浩美
(D)石嶺和彦
(3)藤井康雄
(9)熊野輝光
(2)中嶋 聡
(7)高橋 智
(8)本西厚博
(P)長谷川滋利