ヤクルト小川 ノーノー!プロ野球史上82人目、エースの覚悟で連敗止めた 

 「DeNA0-9ヤクルト」(15日、横浜スタジアム)

 ヤクルトの小川泰弘投手(30)が15日、横浜スタジアムで行われたDeNA戦でプロ野球史上82人目、通算93度目のノーヒットノーランを達成した。昨季9月14日に大野雄大投手(中日)が記録したのに続く快挙。セ・リーグでは40人目(43度目)。ヤクルトでは2006年のガトームソン投手以来、日本投手では97年の石井一久投手以来で、前身の国鉄時代を含めて8人目(9度目)。  

 控えめに拳を握ると、小川の表情がようやく緩んだ。笑顔の向こう側で見えたのは、歓喜に沸く美しい景色。両手を突き上げた西田、ペットボトルを両手に勢いよくベンチを飛び出す仲間たち。「みんなで勝ち取った勝利です」。自身初、史上82人目のノーヒットノーランは、仲間を思う気持ちが形となった。

 自覚と覚悟を胸に刻んだ。チームは5連敗中。「今日で止めたい」。力投が打線の奮起を呼び、偉業が快投に導かれた。唯一のピンチは八回。先頭の倉本に四球、直後の中井の打席で味方のミスが起こった。遊ゴロ併殺で2死無走者になると思われたが、二塁・広岡が送球を取り損ね、無死一、二塁のピンチに。呆然とする広岡へ、そっと肩をたたいた。

 「切り替えて」-。

 この局面を乗り切ることが、エースの仕事だ。その後3人を無安打で打ち取り、九回へつないだ。原点に立ち返り、勇気づけた135球。完投も完封もチーム一番乗りだ。「直球あっての変化球。今日は原点に帰ることができました」。無安打無失点、10奪三振で圧巻の快投劇となった。

 今年で30歳。「分岐点」と話す今季は“敗北”から始まった。目指し続けた開幕投手には先輩・石川が指名され、「僕がやらないといけないと思っていたので」と小川。昨季5勝12敗に沈んだ借りもある。悔しさや反骨心は、巻き返しを期す一年の道しるべとなる。

 マウンドにできた歓喜の輪の中心で、最後まで笑顔を絶やさなかった。「攻めていけてよかった。今日の投球をいいきっかけにして、乗っていきたいです」。横浜の夜風が、そっと背中を押す。連敗ストップで上昇気流へ。西田の胸へ、勢いよく小川が飛び込んだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス