「高校野球交流試合、加藤学園３－１鹿児島城西」（１２日、甲子園球場）

　甲子園初勝利はならなかった。それでも九回に意地の１点。鹿児島城西・佐々木誠監督（５４）は「負けましたが非常に楽しめました」と選手をたたえた。

　ダイエー、西武、阪神などでプレーし、首位打者や盗塁王など華々しく活躍。社会人・ＮＴＴ西日本の監督も務めた。同校監督３年目で初の甲子園に「アマチュアで来ると新鮮。聖地と言われていて、球場に入った時にゾクゾクっとした。これが高校野球かと」と初々しい表情を見せた。

　敗戦の中でも「バントはほとんどない。３ボールノーストライクからも強攻」というスタイルを貫き、選手に思い切りバットを振らせた。九回１死一塁の場面では代打・砂川侑弥捕手（３年）の左翼線二塁打が相手の失策を誘い１点。砂川は「強く振る僕の特長を生かしてくださる。指導してもらったことを出せた」と監督と歩んだ３年間に感謝した。

　選手の髪形を自由にさせるなど、自主性重視でつかんだ甲子園。佐々木監督は「目標は選手によって違う。僕は優勝を目指す。いばらの道だと思いますが」と挑み続ける姿勢を改めて示した。