「ＤｅＮＡ６－４阪神」（１０日、横浜スタジアム）

　ＤｅＮＡが逆転勝ちで３連勝を決めた。１－１の四回、１死一、二塁から国吉が勝ち越しの２点二塁打。その後も追加点を奪い、継投で逃げ切った。元阪神投手でデイリースポーツ評論家の中田良弘氏は、国吉のヒッティングにラミレス采配の奥深さを感じたという。

　「四回の国吉の場面は普通に考えれば送りバント。阪神バッテリーもバントだと思っていたんじゃないだろうか。ましてや国吉はリリーフ投手で打席にもあまり入らない。それでも打たせたのは、打撃練習での状態をラミレス監督がしっかり見ていたからだと思う。国吉もよく思い切って初球からバットが出たね」

　この場面、中田氏自身も送りバントだろうと読んでいた。

　「ラミレス監督は二回に１死一、三塁から、一走を二進させるためだけの送りバントを武藤に指示していた。手堅い作戦を見せていただけに、四回もバントだと誰もが読んでいたと思う。繊細な作戦を見せておいて大胆に攻める。采配の奥深さを感じさせたね」

　ただ、阪神側としては、この一打は避けることができたと指摘する。

　「国吉はヒッティングの構えをしていた。となれば、初球はボール球から入って様子を見るべきだった。完全なボール球でいい。そこでバントの構えをせず、ヒッティングだと分かれば、２球目以降の配球は変わってくる。岩貞も相手が投手とは考えず、全力で抑えにいっただろう。投手に打たれたことでチーム全体がダメージを受けたように見えた」

　阪神は中盤以降追い上げたものの、最後までこの２点が重くのしかかった。