夏の高校野球 過密日程、会場問題、滞るチーム作り…コロナ終息は最低条件に過ぎない
青森県高野連は20日、今春の青森大会と23日に予定していた定例理事会の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、これで全国47都道府県全てにおいて春季大会(準決勝以降から打ち切りの沖縄県を含む)の中止が決定した。各大会の上位校で争われる地区大会も全9地区で中止が決まっており、今年の3年生にとっては今夏の地方大会が最後の公式戦の場となる。
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準々決勝までで打ち切った沖縄大会も含め、全国47都道府県の春季大会の全てが中止となった。新型コロナウイルス感染拡大が進む現状では無理もない判断だったといえる。
当然、夏の地方大会やその先の甲子園開催についても不透明な状況であることは否めない。高校球界に球音が戻るにはコロナ禍の終息は最低条件で、他にもクリアしなければならない課題は多い。
夏はただでさえ過密日程が問題視される中、球場内の消毒を1試合ごとにできるのか。夏の神奈川大会で使用されるサーティーフォー保土ケ谷が8月31日まで利用休止となったように、会場の再考を余儀なくされる都道府県高野連が今後も増える可能性はある。
全国の大半の学校で部活動停止中なのも不安材料だ。公立校を中心に新入生加入のメドも立たず、チーム作りは滞っている。各校の大会への準備期間も考慮すべきで「選手もケガをしてしまう」と関東のある高野連関係者が危惧するように、故障にもつながりかねない。開催へと踏み切るには全てのリスクを取り除くことが必要だ。(アマ野球担当・佐藤敬久)



