磐城 46年ぶり夢の舞台かなわず…木村監督「21世紀枠で選ばれたのは間違いない」

 日本高野連は11日、第92回選抜高校野球大会の中止を決めた。21世紀枠で46年ぶりとなる春の甲子園切符をつかんだ磐城(福島)だったが、木村保監督(49)は「21世紀枠で選ばれたのは間違いない。これを力に変えて、また第一歩を踏み出すしかない」と努めて前を向くなど、出場各校は粛々と現実を受け止めた。

 コバルトブルーの夢舞台はかなわなかった。木村監督は福島県いわき市の同校で「残念というのが最初に出てくる言葉ですが、主催者が子どもたちの夢のために最後の最後まで準備をしてくださったことには感謝いたします」と謝辞を述べたが、言葉には無念さがにじんでいた。

 くしくも東日本大震災から、ちょうど9年目。被災した選手もいる。木村監督も選手も、午後2時46分に黙とうした。「あのときは普段通りの生活が当たり前でないことを教えられた。(今回のことを)一緒にしたくはないが、まだまだ強くならないといけない」。いつになるか未定だが、部員20人が次に集まったときにそう伝えると力を込めた。

 いわき市は昨年10月の台風19号でも被災し、夏井川が氾濫して断水した。野球部グラウンドも入れ替えたばかりの黒土が雨で流された。選手は、被災地域で泥をかき出すなどのボランティア活動。21世紀枠選考では、文武両道とともにそこが評価されていた。

 「中止になってもセンバツに選ばれたのは確かなこと。コバルトブルーのユニホームを着た選手が甲子園で躍動する姿を見せるのは今回はかなわなかったが、チャンスはまだある。また頑張らせたい」。木村監督は気丈に前を向いた。

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