元虎戦士が監督で帰ってくる 鹿児島城西・佐々木誠監督、涙の初切符
「選抜高校野球・選考委員会」(24日、オーバルホール)
「マコト、マコト」。選手たちの「誠コール」に応え、ダイエー(現ソフトバンク)、西武などで活躍した鹿児島城西の佐々木誠監督(54)がおどけながら輪の中に飛び込んだ。選手たちの手で宙に舞い、感激が頂点に達したのか目頭を押さえた。2018年1月に就任し、3年目でつかんだ聖地への切符。「ちょっと涙腺が緩んで」と日焼けした顔をほころばせた。
監督に就任すると目線を一気に高校生のレベルにまで下げた。「できなくて当たり前」。上から押しつけるような指導はせずに選手自身に考えさせる。今年の冬季練習では選手に課題を与えると、練習方法やメニューは選手に任せた。「指示待ちの選手にならないように」。プロの指導で、自分で考えられず頭ごなしに怒られて野球を辞めた選手をたくさん見てきた経験があるからだ。
佐々木流の意識改革がある。就任当初に選手の希望を聞き入れて髪形を自由にした。炭酸飲料やスナック菓子も解禁。選手に判断させる。練習ではプロのように音楽を流す。
令和初の選抜大会で初の甲子園出場。「城西旋風を起こして、君たちの成長する姿を見たい」。佐々木監督は選手に呼びかけた。鹿児島城西ナインが甲子園で新たな風を吹かせるかもしれない。