巨人・阿部慎之助捕手が引退を表明。９月２７日、東京ドームでの最終戦で「ありがとう慎之助」と銘打たれた試合が行われたが、その当日、最寄りのＪＲ水道橋駅の粋な計らいが話題となった。

　駅のホームや改札など、本来は電車の発着時刻などを表示する電光掲示板にねぎらいのメッセージ。「阿部慎之助選手　１９年間おつかれさまでした。今後も巨人軍を永久に導いてください！！　♯ありがとう慎之助」との文字が流された。

　ＪＲ東日本によると、メッセージが流れたのは２０時から２３時までの３時間。短い時間だったが、東京ドームから帰宅の途につくファンなどがツイッターなどで拡散。巨人の公式ツイッターでもこの様子を動画で公開し、再生回数は６日間で３７万回を越えた。

　反響は水道橋駅にも直接届き、「粋ですね」という声、阿部が千葉県出身ということで「電車の行き先表示（千葉行き）と合ってますね」という声、「もっと長く表示してほしかった」という要望もあったという。

　ＪＲ東日本によると、こうした発案は駅それぞれに一任。ロッテ・福浦が引退した９月２３日には海浜幕張駅で同じようにメッセージが流されたが、水道橋駅では前例がないという。

　多くの野球ファンが利用する水道橋駅では、巨人・阿部の引退を受け、本拠地でのシーズン最終戦にメッセージを流すことを計画。１９年間、巨人を支えた阿部に敬意を示すとともに「東京ドームを訪れたお客様に、駅を気持ち良くご利用して頂きたい」という思いもあったという。

　試合では阿部が特大本塁打。劇的な展開となったが、球場外でもファンを笑顔にさせる、駅員たちの“ファインプレー”だった。