八戸学院光星・沢波 決勝タイムリー!ケガ病気の3年間…支えてくれた仲間に感謝
「全国高校野球選手権・2回戦、八戸学院光星10-8智弁学園」(12日、甲子園球場)
八戸学院光星(青森)は春夏通算30勝目。六回に6点差を逆転されたが、八回に追い付き、途中出場の沢波大和外野手(3年)が九回に決勝打を放って壮絶な打撃戦を制した。
迷いはなかった。8-8の九回2死満塁。八戸学院光星の沢波は初球を振り抜く。「絶対に打ってやろう」。打席前、仲井宗基監督(49)に「逃げれば勝利の女神や野球の神様が応援してくれない」と背中を押された。強い気持ちが生んだ、決勝の一塁強襲2点適時内野安打だ。
「野球の神様が打たせてくれた」。チーム関係者は一様に声をそろえる。3年間の自分史は、ケガや病気との戦いでもあった。1年時に左膝、2年時に右膝の半月板を痛め長期離脱。昨年6月には気管支系の病気で1週間入院した。楽しみにしていた修学旅行の不参加も余儀なくされた。
山あり谷ありの高校生活。チームメートに励まされ前を向き続けることができた。「待っているから。必ず戻って来いといってくれた」。今夏は支えてくれた人に感謝の思いを伝える大会でもある。
16年夏の東邦戦は9-2から“甲子園の魔物”に飲み込まれ逆転負けを喫した。この日は7-1の六回に7失点した。それでも選手はたくましく戦い悪夢を払しょく。春夏通算30勝を成し遂げた。
「テレビで見ていた景色。びっくりしています」。お立ち台に上がった沢波は、照れ笑いを浮かべた。スーパーサブが日本一を狙うチームに大きな勢いを付けた。