原巨人 上昇気流「あしたのための“その1”」勝利の方程式一角をベンチ外で温存も3連勝
「巨人8-4ヤクルト」(10日、東京ドーム)
底力を見せつけた。巨人・原監督が、勝利の方程式の一角を担う中川、デラロサをベンチ入りメンバーから外しても快勝。「いると使いたくなる。もういないでくれと(笑)。いなきゃ使えない。どっかで割り切らないと。あしたのための“その1”という判断」と指揮官は説明する。
中川が9日までに3連投、デラロサが2連投しており、9連戦中ということもあって疲労を考慮した。投手コーチからの進言があり「ならば、そうしてくれと」と信頼して受け入れた。
この決断も、前夜に7点差をひっくり返してサヨナラ勝ちした打線の猛威があってこそだ。一回に坂本勇が「(直球を)狙い打ちです」と右中間席へ自己最多タイとなる31号ソロを放つなど、3点を先取して主導権を握った。三回までに7得点でヤクルトを突き放し「昨日のゲームの勢いが、しっかりと出たのは大きい」と原監督は目を細める。
打線の援護を受けて投手陣も踏ん張った。先発の桜井は6回2失点と試合を作り、七回に登板した2番手・田口は2失点したものの、八回は高木、九回は沢村がそれぞれ1回を無失点に抑えた。
「今日のブルペン陣で頑張ろうと思いました」と指揮官。「全員で戦っている」と打ち出した明確な方針にナインが応えた。
引き分けを挟んで3連勝となり、7カードぶりの勝ち越しを決めて首位の座を堅守。上昇気流に乗り始めたが、何よりも一丸でつかんだ“1勝”に大きな価値がある。