智弁和歌山・東妻 V三塁打!中谷監督「将来性あるキャッチャー」

 「全国高校野球選手権・1回戦、智弁和歌山8-1米子東」(8日、甲子園球場)

 1回戦4試合が行われ、智弁和歌山(和歌山)が米子東(鳥取)を下し、17年以来の夏の大会初戦突破。史上単独10位となる春夏通算64勝目となった。昨年夏の大会後に就任した智弁和歌山・中谷仁監督(40)の夏初勝利を導いたのは、今秋ドラフト候補で5季連続出場の東妻純平捕手(3年)。勝ち越しの適時三塁打を含む3安打2打点で勝利に貢献した。明徳義塾(高知)は藤蔭(大分)を下し、馬淵史郎監督(63)が歴代4位タイとなる甲子園通算51勝目を挙げた。国学院久我山(西東京)は春夏通じて甲子園初勝利。敦賀気比(福井)も初戦を突破した。

 夏を見越した指導が実を結ぶ。成長を感じさせる東妻の躍動が初戦突破の原動力だ。最少失点でしのいだ守りに加えバットでは3安打2打点。「(監督とは)配球の話をずっとしてました。どんどん勝負していけと言われました」。納得のパフォーマンスで中谷監督に夏の初星を届けた。

 「(四回は)ボール先行だったので思いきっていこうと思った」

 まずは四回、2死一、二塁から先制の適時打を放った。守りでは六回に同点に追い付かれながらも、なおも続いた1死満塁では勝ち越しを許さない。その直後、六回2死一塁では右中間への適時三塁打で勝ち越しに成功。5季連続出場となった孝行息子の活躍を、中谷監督はこう称えた。

 「バッテリーが粘り強く抑えてくれた。(東妻は)まだ発展途上ですけど、将来性あるキャッチャーです」

 同じ捕手で、プロから注目される存在。だからこそプロ目線で厳しい指導を施してきた。今年の近畿大会では「懲罰交代」させることもあったが「この夏のために厳しい期間もあって、それが花咲いている」と話す。東妻も腐らず食らい付いてきたからこそ、この日の活躍があった。

 東妻は「監督を胴上げしようと学年全員で話し合ったことがある」と信頼を明かす。選手からは「中谷さん」と呼ばれるなど、監督であり良き兄貴分。今年の5月5日、40歳の誕生日の練習後には、選手がサプライズで「ハッピーバースデー」の大合唱。合わせて数人の選手が一発芸を行い祝福した。一丸ムードは高まっている。

 今の3年生は、コーチ1年目からの付き合いとなる「同期」だ。「2年生も1年生も僕にとってはかわいい後輩で教え子なので、この36人で少しでも長い夏をというのを合言葉にしてます」と中谷監督。まずは日本一への第一歩を力強く踏み出した。

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