鷲投に新戦力!楽天ドラ4弓削がプロ初星 わずか101球…衝撃の2安打初歓封
「日本ハム0-2楽天」(30日、札幌ドーム)
投げるごとに安定感は増した。楽天ドラフト4位の新人左腕・弓削隼人投手(スバル)が、プロ2試合目で圧巻の投球。好調の日本ハム打線を2安打に封じ、09年の藤原以来、球団史上2人目となるプロ初勝利初完封を成し遂げた。
「ホッとしています」。マウンドではポーカーフェースの男が頬を緩めた。二回に自らの失策で2死三塁とした以外は得点圏の走者も許さず。直球、カットを軸に六回以降は完全投球。わずか101球での完封劇だった。
開幕ローテをつかみ、プロ初登板となった4月4日の日本ハム戦(楽天生命)は4回1/3を1失点ながら7安打3四球の不安定な内容で降板。翌日に2軍降格後は好不調の波が激しく「何をやって良いか分からない状態だった」と振り返った。
だが、そこから自らを鍛え直す。徹底的に走り込み、ウエートも「オフと変わらないぐらいやった」とし、社会人時代のメニューも取り入れた。古巣・スバルから取り寄せたビデオや動画サイトで自身の投球を見返し、必死に己と向き合った。
「球速も上がって制球も良くなった」。10連戦初戦で今季のチーム完封一番乗りという結果が、その成長を示していた。「前回は悔しい結果だったけど借りを返せた」。初登板から3カ月。流した汗が最高の形で結実した。