東京五輪まであと1年…やっぱり知りたい侍・稲葉監督の心境 虎戦士にも熱視線

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(46)が東京五輪1年前を迎えるにあたり、インタビューに応じた。現在の思いを「焦りもなければ気負いもない。近い目標としてはプレミア12という(五輪の)前哨戦がある」とした指揮官。12球団の視察を重ねる中で、阪神の選手にも熱視線。1年目からレギュラーをつかんだ近本光司外野手(24)のスピードを絶賛、高い評価を口にした。

 五輪までちょうど1年。指揮官の心境は、フラットだった。

 「焦りもなければ気負いもない。大きな目標としては五輪があるが、近い目標としてはプレミア12という(五輪の)前哨戦がある。今はそこに向けてしっかりやるということ。それが終われば一気に五輪モードになっていくと思う」

 自身のテーマに「見る」と掲げ、各球団の視察を重ねる。今まで招集した選手はもちろん、これから経験を積む若手にも鋭い視線を送る。その中で虎の1番打者として不動の地位を築きつつある近本の姿に目を留めた。

 「ルーキーであそこまでやっているというのはすごいこと。彼の足の速さ、スピードというのは非常に魅力があるし、バットコントロールもある」

 現在リーグ3位の20盗塁。球宴ではサイクル安打も達成した。テーマに掲げる「スピード&パワー」にも合致する24歳。指揮官は「プロに慣れることに必死」と前置きし、近本の持つ“経験”にも言及した。

 「ジャパンも(プロと同様に)経験というのが非常に大事。彼は社会人のジャパンを経験している。多少なりとも経験をしている意味では、外野の一角というところで私の中でも、頭の中で考えているところではある」

 若虎の中では、6月20日に視察した際に好投した阪神の2年目左腕・高橋遥にも可能性を見いだした。

 「四球で崩れるタイプではないのかな。ゾーン内でも非常に強い球を投げていたし、チェンジアップも非常に有効だった。いい左投手が出てきたなという感じはする。左投手は貴重。韓国も台湾もいい左打者が多い。そこを倒していかないと上にはいけないというのは、考えている」

 指揮官は熱のこもった口調で左投手の必要性を説き、同時に変則投手の国際舞台における重要性にも言及。すでに代表経験のあるソフトバンク・高橋礼とともに横手投げの阪神・青柳に注目した。

 「青柳君もしっかり腕を振って投げるので、打者からしたら嫌だなというのはすごく感じる。彼もタイミングをずらすことができるのかなというね。高橋君と似たようなタイプで見ている」

 東京五輪のメンバーは24人。メンバー選考に思いを巡らせる日々が続く。

 「全体のバランスを見てやる。たくさん選手もいるポジションもあれば、逆に選手が少ないポジションもある。今はどういうバランスで選手選考をしていこうというところ。ピッチャーも含めて」

 選手として出場した2008年の北京五輪は4位に終わった。立場を変え、監督として臨む大舞台まで1年。今夏から、海外に出て敵情視察もスタートさせる。届かなかったメダルへの渇望は強い。

 「五輪選手というのは特別。そこでメダルを取るというのは、さらに特別感がある。なおさら自国大会で金メダルを取るというのは歴史に名を残せる。これから語り継がれると思う。選手に特別だという思いをしっかり持ってもらいたいし、経験をさせたいという強い気持ちがある」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス