広島商・倉本 誓いのO封 15年ぶり聖地へコールド発進 鍛え上げた制球力発揮

 「高校野球広島大会・2回戦、広島商8-0広島工大」(17日、コカ・コーラボトラーズジャパン野球場)

 2回戦16試合が行われ、広島商は8-0の八回コールドで広島工大高を下し初戦を突破した。背番号「1」を背負う倉本裕翔投手(3年)は7回1/33安打無失点と好投。持ち味の制球力の良さを生かし、打たせて取る投球が光った。春季広島大会の王者。15年ぶりの甲子園出場を目指し上々の船出だ。

 日差しを背中いっぱいに浴びた倉本が、持ち味を存分に発揮した。直球とスライダーを低めに集めて凡打の山を築く。「最速は135キロだけど、そんなに出ることはあんまりないんです」。磨いてきた制球力でスコアボードに「0」を並べた。

 初安打を許した四回は4、5番を打ち取った。初めて得点圏に走者を背負った五回も平常心を失わない。「1、2点取られても返してくれる。野手を信頼しています」。強力打線への厚い信頼も背中を押し、思い切り腕を振り抜いた。

 12日に広島大会が開幕し、5日後に迎えた初戦、7回1/3を3安打無失点で終えた。荒谷忠勝監督(42)は「びっくりするような球はない。でも丁寧に投げるという持ち味を出してくれた。開幕から日にちがたった中で勝ち切れたことは自信にしたい」と目尻を下げた。

 昨秋の広島大会がターニングポイントだ。3回戦で広陵と対戦し1-2で敗れた。接戦を勝ちきることができなかった要因を「1球の失投も見逃してくれなかった」と分析。この冬は徹底的に制球力向上に力を入れた。

 ブルペンでは本塁上に白いゴムひもを張り、その下へ投げることを課した。さらにプレートから本塁までの間に線を引き球の軌道をイメージしながらの投球練習も行った。工夫しながらの日々は今夏、頂点に輝くためだ。

 春季広島大会で優勝したことで周囲の期待は高まっており、右腕もそれを実感する。JR可部線を利用して通学する車内では「おじいちゃん、おばあちゃんに頑張って」などと頻繁に声を掛けられるようになったという。声援を力に変える今夏でもある。

 岩本(現広島)を擁した04年以来、15年ぶりの甲子園出場を目指す。「やってやる」。強い気持ちを胸にマウンドに立ち続ける。

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