【トラ番敵情視察】開幕相手ヤクルト手ごわい おおっバレが全力疾走

 最下位からの巻き返しを誓う阪神の春季キャンプがスタートした。その前に立ちはだかるセ5球団の現状を知るべく、デイリースポーツのトラ番が他球団のキャンプに潜入。第1回は昨シーズン屈辱の10連敗フィニッシュを喫した、今季開幕戦の相手・ヤクルト。トラ番・井上慎也記者(26)がキャンプ地の浦添で突撃取材を敢行した。

 活気あふれる声がグラウンドに響き渡っていた。ヤクルトのキャンプ地・浦添市民球場。いきなりシートノックで感心させられた。捕球する選手に向かって全員が声をかけ、少しの捕球ミスや送球がわずかにそれただけでもやり直し。盛り上がりの中にも緊張感がある。チーム全体として一つの目標に向かっている感じだ。

 17年の最下位からはい上がり、昨季は2位。その勢いに阪神は圧倒されて、最後の10連敗を含め10勝15敗と大きく負け越した。迎えた19年はどうか。キャンプ4日目のメニューを見て驚いた。第1クールからすでに、実戦を想定した練習が始まっていたのだ。走塁練習とケース打撃だ。

 走塁練習では…おおっ、バレンティンが全力疾走している!青木もだ。野手は全員参加だ。河田外野守備走塁コーチに聞くと「全員でうまくなった方がいい」とのこと。しかもベースの蹴り方など、こまかな技術も全員で課題を徹底している。

 河田コーチは「足が速い、遅いに関係なく、点が入るか入らないかにつながってくる」と説明してくれた。打率が上がったことも大きいが、一人一人がコンマ1秒でも縮めることで得点力不足に悩んだ17年(チーム473得点)から昨年の658得点へと大幅アップさせたのだ。

 ケース打撃は阪神は第1クールでは行っていなかった。石井打撃コーチによると「得点力を上げれば、勝機も上がる。いかに点につながる打撃をやっていくか。そこが永遠のテーマ」とのこと。自己犠牲を払ってでも得点圏に走者を進める意識を、キャンプの最初から求めている。

 それにしてもこの練習風景、どこかで見たような…。そう。記者が17年まで担当した広島に似ている。17年まで広島でコーチを務めた河田、石井両コーチがヤクルトへ移籍したのが大きな要因ではないかと思う。

 石井コーチは言う。「目指すところが一緒であれば、(指導する点で広島と)基本的な部分はそんなに変わらない。個々のスキルをどれだけ上げていけるのか」。今キャンプでも着実に力を蓄えてくるはず。個々の能力も高く、今年も手ごわい相手になりそうだ。

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