中日ドラ1根尾、さすがの選球眼 プロ初フリー打撃、見送った10球すべてボール

 中日のドラフト1位・根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭=が20日、ナゴヤ球場に隣接する屋内練習場で打撃投手相手に初めてフリー打撃に臨んだ。非凡な選球眼を持つルーキーは際どい球を見極めると鋭い打球を連発。23スイングで安打性の当たり12本と上々の試運転となった。

 己のスタイルは絶対に崩さない。屋内とはいえ初のフリー打撃。気持ちが高ぶり、少々のボール球にも手が出てもおかしくない状況。だが「ストライクの球だけ打つことは常に心掛けています」と、根尾は冷静に球を見極めた。

 全部で33球。うち10球を見送った。投じたのは赤田ブルペン捕手兼打撃投手。気温5度、無数のシャッター音が響く中「少し緊張しましたよ」と苦笑いしたが「見送った球は全部ボール。よく見えているなと思いましたね」と舌を巻いた。

 非凡な選球眼が発揮された試合がある。昨夏の北大阪大会準決勝の履正社戦(シティ信金スタジアム)。1点を追う九回2死満塁。凡退すれば高校野球生活が終わる絶体絶命の場面で落ち着いて押し出し四球を選び同点に。逆転勝ちを呼び込むと一気に春夏連覇へと駆け上がった。「ボール球を打つことは投手を楽にする」。自らの投手経験も踏まえてたどり着いた境地だ。

 ひとたび振れば練習場に快音を響かせた。23スイング中、安打性は12本。「いい感覚の打球もありましたけど、良くない点の方が多くて…。仕上がりはまだまだです」と本人は不満顔。それでも打撃を見つめた松井佑は「力強いスイングですね」と目を丸くした。

 チームとしても昨季もぎとった402四球は12球団で3番目に少なく、打率(セ・リーグ2位)のわりに得点(同4位)が伸び悩む原因となった。“選べる”根尾の存在は竜にまた違った刺激をもたらすに違いない。

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