U17東京都代表、念願のキューバ遠征 “収穫1敗”の黒星発進

 高校野球のU17東京都代表が17日(日本時間18日)、初のキューバ遠征で地元キューバ代表と親善試合を行った。第1戦は3-7と完敗したが、球児たちはキューバ選手たちのハングリーさに大いに刺激を受けているようだ。

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 東京から飛行機で約16時間。12月だが季節は夏。湿気と肌寒さも感じる野球の国に4年の歳月を経て“ようやく”降り立った。高校生で初めてのキューバ遠征となるU17東京都代表が首都・ハバナにあるラティノアメリカーノ球場で夢の一戦を終えた。都の代表としては今回で3度目の海外遠征だが、「野球の本場に行けたら」との思いから始まった都高野連のプロジェクトが、ついに幕を開けた。

 現地時間15日深夜に到着。翌16日は午後に初練習の後、夜はキューバ代表関係者との懇親会があった。初対面の選手たち。普段は接することのない外国人選手の迫力に「背が大きくて怖いイメージ」だったが、写真を撮り合ったり、お互いにジェスチャーで交流を深め、最後は一緒にダンスをする場面も。キューバ流の宴を満喫し、翌日から始まる戦いへの士気を高めた。

 緊張の面持ちで始まった初戦、U17東京都代表は5失策が絡み3-7で敗戦。内野が芝生、慣れない球場というのも影響したのかもしれない。本来の力強い打撃に加え、バントや足で揺さぶりをかけたキューバについて、前田三夫監督(帝京)は「どんどん振ってくるし、バッティングに自信を持っている。すごみを感じた。日本の野球を見て学んだと聞いた。迫力もあるけど小技もきく」と技術とメンタル、どちらも称賛。日本の野球が少なからずキューバに影響を与えていることも語った。また、敗戦したものの「互角以上はできると選手も感じたと思う」と自信につながる初戦だったことも付け加えた。

 そんな中、1年生ながら代表に選出された小松涼馬内野手(帝京)は2本の長打を放ち3打点と持ち味の思い切りの良さを発揮した。前夜の懇親会でも「忍者です!」と自己紹介し、キューバ人の笑いを誘う“大活躍”。170センチの小兵は192センチの長身右腕ノルヘの投球術に「球が速くて、変化も日本とは違う。すごくびっくりした」と驚きを隠せなかったが、今大会で使用する木製バットにもすぐに対応。前田監督も「速い球に負けないように必死になって修正してきた。覚えがいい」と教え子の活躍を喜んだ。

 町並みも文化も野球環境も、全てが日本とは異なる。今回の遠征では、日本の野球環境がいかに恵まれているかも感じさせられているようだ。首脳陣らが口をそろえて言った「キューバはハングリー。ハートで野球をする」を初戦から見せつけられたような気がする。残り4戦。これからの両国の未来を担う若きスターたちにとって、実りある親善試合なることを願うばかりだ。(デイリースポーツ特約記者・鈴木エレナ)

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