巨人・菅野、ポストシーズン史上初のノーノー突破「まさか自分が」

 「セCSファーストS・第2戦、ヤクルト0-4巨人」(14日、神宮球場)

 格別の味をかみしめて、支えてくれた巨人・小林と満面の笑みで熱い抱擁を交わした。菅野がポストシーズン史上初のノーヒットノーランを達成。ファーストS突破を決めた。「まだ実感が湧かないが、歓声を受けすごいことをしたんだなと。まさか自分がそこに名前を刻めるとは思わなかった」と興奮冷めやらぬ様子だった。

 「六回から意識した」と菅野。七回2死まで完全投球だったが、山田哲への四球で完全試合は逃した。だが、マウンドに集まったナインから「変わらず攻めていこう」。気持ちを切らさず無安打を続け、普段褒められたことのないという坂本勇から「すげーな」と声をかけられた。

 前日に勝利投手になった上原から「あしたは一人で投げきってください」と期待をかけられた。「とんでもないことを言ってくれた」と思ったが、冷静沈着な投球で有言実行。「本当に一人で投げきりました」と大先輩に最高の報告ができた。

 同じ舞台で正真正銘のノーヒットノーランを達成してみせた。2010年6月10日の全日本大学野球選手権準々決勝。東海大3年だった菅野は、同大に7回コールドの参考記録ながら達成している。この試合で相対した小林は「覚えてます。参考記録ですけどね」と振り返った。

 あれから8年。バッテリーとして挑んだCSでの決戦。今度は九回まで投げ抜き、快挙をやってのけた。エースは「おそらく初めてです」と話し、リードし続けた正捕手は「いつも以上にプレッシャーがかかる中、さすがのピッチングでした」と手放しに褒めた。

 高橋監督も「言葉が出ない」と脱帽した。指揮官と共に歩む下克上への道は続く。「僕らは挑戦者。高橋監督と少しでも長く野球できるように」と菅野。日本一へはあと8勝。必ず指揮官を男にしてみせる。

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