中日・岩瀬、前人未到1000試合登板 手記「無心」

 「中日4-3阪神」(28日、ナゴヤドーム)

 中日・岩瀬仁紀投手(43)がナゴヤドームで行われた阪神戦の九回に登板し、前人未到の通算1000試合登板を飾った。今季限りでの現役引退を決意している鉄腕左腕が、「無心」と題した手記を寄せた。

  ◇  ◇

 まさかここまで来るとは思わなかった。長い、長い道のりでした。今はうれしいというより、無事終わって良かったとホッとしている。1点リードの九回に出してくれたのは今年初めて。先頭の死球はどうなるんだろうと思ったけど、一人一人と切り替えた。荒木が決勝点に絡んで、頑張っている姿を見て、もう一度自分も頑張ろうと思った。ファンの歓声は、自分の中にすごく響いた。ありがとうございました。

 この手記につけたタイトルは「無心」。「継続は力なり」を座右の銘にしてきたけど、続けるためにマウンドに雑念は持ち込まないよう、1000回無心で投げることを心掛けてきた。

 去年、通算950試合登板で日本記録を更新した時、あれだけ大きく祝ってもらってから50試合増えただけ。正直、去年と違う感慨はないし、自分ではそれほど1000という数字を意識してなかった。ただ、周りは違って、特に江夏(豊)さんには会う度に「絶対1000まで投げろよ。誰もやっていないんだから」と言われ、頑張らないと、という気持ちになった。大学、社会人を経てプロ入りしたので、こういう記録を打ち立てる選手になるとは想像もできなかった。不思議な感覚だね。

 最も緊張した試合を挙げれば、新人の開幕戦。1点リードの場面で使ってもらいながら、1つのアウトも取れなかった。頭が真っ白。1000試合には含まれないポストシーズンだけど、大ちゃん(山井)と完全リレーで日本一になった07年の日本シリーズも、別の意味でものすごい緊張で、一番の歓喜の瞬間だった。

 かといって、これだけ長く投げてきても、毎試合が緊張の連続。やはり大きなケガなく来られたことが、長く続けられた一番の要因。丈夫な体に産んでくれた両親、そして、体のケアでお世話になった方々に感謝の気持ちしかない。

 プロ入り直後から山本昌さん、イチローさんらで知られる「ワールドウイング」に通った。初めてトレーニングした時から体にすごくなじんで、これだ、と思った。以来、ケガしない体を作るために鳥取に行き、年を重ねるにつれて効果を実感した。休みや移動の日は、長年通ってきた治療の先生方の下に通院時間を含め3、4時間を費やしてきた。

 実は2014年に左肘を痛めた後、2年間ほとんど投げられず、16年8月には一度、引退を申し出た。肉体的な限界と言うより、精神面のつらさが大きかった。その後、この2年間で96試合投げて「戻ってきた」と言われたけど、それは違う。今季は自分が思い描いていた投球とズレがあった。防御率4点台というひどい数字。これはどうしても納得できず悔しい。

 ここ数年、抑えから中継ぎに回り改めてその難しさを感じ、若い頃じゃないとできないと実感した。抑えは回の頭から行くけど、中継ぎは投げるイニングが決まっていないし、ランナーがいたりいなかったり、何度も肩を作ったり…。その状況に合わせないといけない。難しいけど今はその位置にいて、自分なりにこなしたいと思いながら、思うように行かないことが多かった。

 ただ、中継ぎは体力的にはきついけど、精神的にはちょっと逃げ所がある。抑えはその逆。投げる場所が決まっているので体力的には少し楽だけど、精神的にきつい。酒を飲めない体質なのは連投する救援投手としてはメリットだと思ってきたけど、精神的には飲める人がうらやましかった。

 何でストレスを紛らわしていたのか-。よく聞かれるけど、野球でたまったストレスはグラウンドでしか晴らせない。趣味のボートレースに行っても、逆にストレスがたまる(笑)。野球以外ではダメ。だったら、逆に精神的にきついのは当たり前。それが普通だと考えるようになった。

 大事なことは連続して失敗しないこと。いくらずっと抑えてきても、連続して失敗したら、今まで積み重ねてきたモノが消えてしまうような感覚に陥る。救援の方が先発より挽回のチャンスは早く来る。でも、連続して失敗したら…という恐怖感はものすごく強い。引きずるとズルズル行ってしまうので、失敗した次の試合はものすごく自分にプレッシャーをかけて臨んできた。

 今ドラゴンズは低迷しているけど、CS、日本シリーズの重圧はシーズンの比じゃない。後輩たちにはそれを味わってほしい。来年こそ、ポストシーズンを経験できるよう切に願っている。(中日ドラゴンズ投手)

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