「ＤｅＮＡ４－１ヤクルト」（７日、横浜スタジアム）

　アクシデントにもめげなかった。７回２安打無失点で５勝目。“ハマの宇宙人”こと井納翔一投手（３２）が、いろんな意味で本領を発揮した。

　一回、先頭の坂口に投じた初球。強烈な打球が、自身の右足甲に当たった。苦悶（くもん）の表情を浮かべてベンチ裏に下がった。心配する首脳陣に井納は「行きます」と力強く続投を志願し、再びマウンドに上がった。

　歩くだけでも痛いほどの負傷をプラスに変えた。「必要以上に力まなかった。（いつもは）力みすぎて、はちゃめちゃだった。逆に良かった」。安定感を欠く投球を続けてきた右腕の集中力が高まり、生まれ変わったようだった。球威のある直球とキレのある変化球でヤクルトの強力打線を封じ込めた。

　ラミレス監督は「今年一番の出来だったと思います」と頬を緩めて大絶賛。先発陣の不調もあって、ＢクラスにあえぐＤｅＮＡ。井納が本来の力を発揮すれば、チームをＣＳ進出に押し上げる頼もしい存在となる。