前橋育英・恩田が完封一番乗り!前日に光成センパイからパワー注入
「第100回全国高校野球選手権・1回戦、前橋育英2-0近大付」(7日、甲子園球場)
憧れの先輩に近づいた。前橋育英(群馬)の恩田慧吾投手(3年)が9回を103球の省エネでシャットアウト。夏初出場初優勝を果たした2013年のエース・高橋光成(現西武)と同じ聖地デビュー戦での完封は、第100回記念大会の完封第1号となった。
テンポ良く、丁寧に腕を振った。武器の直球が走っていなくても焦りの色はない。制球を重視し、スローカーブで緩急もつけた。途中で右脚をつりながらも、マウンドでは弱気を見せないという信条を貫き、ピンチでも笑顔のまま。「心強いバック」と信頼する仲間の好守にも助けられ、スコアボードに最後まで0を並べた。
初戦を前にパワーを注入されていた。試合前日に高橋光が宿舎を訪問。ゼリー飲料の差し入れとともに「いままで練習してきたことを信じてやるだけ」と激励され、エース右腕は握手してもらった。
全国制覇した13年夏のシーンはテレビで見ていた。目に焼き付いているのは、マウンドに立つ2年生エースの姿。自分も同じユニホームで同じ場に立ちたい。尊敬の念が芽生えた瞬間だった。
同校春夏通算10勝目に貢献し「甲子園で投げるのが夢だったので、完封できてうれしい」。昨夏はアルプスで応援に徹した背番号1が、5年ぶりの頂点へ快投を続ける。