智弁和歌山が初戦で散る…72歳高嶋監督「こんな試合をしていたら辞められん」
「第100回全国高校野球選手権・1回戦、近江7-3智弁和歌山」(7日、甲子園球場)
想像もしていなかった完敗だった。今春センバツで準優勝し、優勝候補の一角として臨んだ第100回大会。智弁和歌山が実力を出し切れずに初戦で散った。高嶋仁監督(72)は不満を隠しきれなかった。
「そらあ、悔しいですよ。選手の力が出ませんでしたから。負けて悔しさが残らない監督はいない」
近江の継投策にはまり、自慢の打線が沈黙した。今秋ドラフト候補の高校通算49本塁打・林晃汰内野手(3年)らクリーンアップは2安打どまり。エンドランや送りバント時の走塁で、記録に表れないミスもあった。
九回1死満塁も1点しか奪えずに試合終了。高嶋監督は「奇跡が起こるかなと思ったけど甘くなかった」。自身が持つ監督としての甲子園春夏通算最多勝利を「68」から伸ばせなかった。
72歳。指揮を執る上で体調面の不安も残る。近日中に学校の理事長に報告へ行く予定だが、進退については「こんな試合をしていたら辞められんでしょう」と語気を強めた。
全国制覇とともに、目標に掲げていた大阪桐蔭と再戦もなくなり、「それが心残り。また甲子園に出てこられるチームを作りたい」。屈辱的な初戦敗退で一層、闘志に火が付いた様子だった。